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東急建設株式会社トラブル

東急建設の経営不振は深刻化している。東急建設は東京急行電鉄、東京三菱銀行の金融支援を受け再建中である。2003年10月に会社分割を行い、建設事業に特化した(「債務免除のレッテルを回避 東急建設の新・会社分割法」週刊ダイヤモンド2003年4月5日号)。「ここ数年は信用不安からブランド力も失墜し、受注も減少した」(東急建設・山田豊彦社長「受注対象を個人に広げ増収へ、戸建て注文住宅事業に進出」日刊建設工業新聞2004年1月16日)。

東急建設は2004年3月期、2005年3月期ともに年間配当無配である。2006年3月期の連結業績予想は経常利益および当期純利益において対前期比大幅減となっている。中間期では経常利益80億円の赤字、純利益120億円の赤字とする(東急建設「平成17年3月期決算短信 (連結)」2005年5月12日)。

「自己資本は厚いとはいえず、不自然さがうかがわれ、資金繰り面で警戒を要する」(日本証券新聞社、格付速報東証・大証編(2005〜2006年秋冬号)、角川SSCムック、106頁)。欠陥工事が物議をかもす中、通期転落も十分に予想される。このままでは資本を食い潰し、早晩経営が立ち行かなくなる。

新三ヶ年計画上、当期純利益は2005年度48億、2006年度56億、2007年度56億の計画。有利子負債残高は2005年度231億、2006年度209億、2007年度189億の計画。仮に計画通りに進んだとしても依然として有利子負債が経営を圧迫する点は変わらない。先行き不透明な情勢が続くと判断せざるを得ない。

「再建中の多くのゼネコンは、将来の金利上昇のリスクを計画に織り込んでおらず、ま た、建設市場の縮小という厳しい業界環境が続くなか、有利子負債の問題については今後も注視していく必要があろう」(帝国データバンク「主要建設業88社連結有利子負債調査」TDB Watching 2005年6月5日、3頁)。

株価下落

毎日のように東急建設と世紀東急の株価を見ていると、企業の寿命も大体分かってしまう。東急建設株主の方々の累積収支は大変お気の毒な状態であると思われる。この銘柄は転落への階段を着々と降りている。株価を見れば見るほど、とても投資とはほど遠い、腐りきった会社に感じられる。将来性には懐疑的な見方をするアナリストが多い。

東急建設の株価はバブル期の地価とよく似ている。極めて似た構造の不良資産である。ホルダーの方々にとってこの銘柄は不良債権であり、かつての異常な高騰は泡と消えて二度と戻ることはないと考えられる。

実際、東急建設の長期チャートは、バブルの前後の地価推移グラフと酷似している。株価と地価は相違するが、異常急騰というエッセンスが共通しているため、急騰のパターンとその後の長期的な反落のパターンがほぼ同様のグラフ曲線を描いている。

市場縮小

建設業界は市場の縮小で閉そく感が強い。建設投資は2003年度には55兆2000億円であるが、2020年度には最低で39兆7000億円、最大でも51兆1000億円に減少すると予想される((財)建設経済研究所「建設投資等の中長期予測」2005年8月3日)。公共事業の先細りで、建設業界には強い逆風が吹いている。

住宅も既に国内の全世帯数と建物の全戸数が逆転している以上、仕事が減るのは間違いない。かつて威勢を誇ったゼネコンは、今や巨体を持て余す状態である。各社ともしのぎを削り、限られたパイをできるだけ多く奪い取ろうとしている状況である。

自然災害多発による痛手

自然災害多発により、東急建設は大きな痛手を受ける可能性がある。近年、国内外で異常気象、自然災害が相次いでいる。日本では地震や台風が頻発している。海外ではインド洋大津波(2004年末)、トルコ大地震、アメリカのハリケーン「カトリーナ」「リタ」と大きな災害が次々と起きている。災害の規模も被害も大型化している。自然災害多発の遠因が人間による自然破壊であるならば、この傾向は今後も続くものと予想される。

自然災害により、建造物は被害を受ける。特に欠陥住宅や手抜き工事による建造物の被害は甚大である。逆に災害による損壊で手抜き、欠陥が判明したケースもある。宮城県沖地震(2005年8月16日)では仙台市のスポーツ施設「スポパーク松森」の天井が崩落した。この崩落事故によって手抜き(天井に免震金具の「振れ止め」を取り付けなかった)が判明した(「天井落下事故、設計・施工双方に不手際 国交省が報告書」朝日新聞2005年8月26日)。

建造物の欠陥は見つかりにくいものである。外観だけでは専門家でも判定できないことが多い。竣工から長期間を経た後で判明することが多い。実際、八王子の公団マンションも欠陥が明確化したのは大規模修繕時である。しかし自然災害の多発により、災害がなければ当分の間、露見しなかった筈の欠陥や手抜きが発覚しうる。

むしろ以下のように指摘されている。「建物の骨組みは一度、外壁などで覆われてしまったら、地震等で剥がれでもしない限り、なおさら素人には窺い知れない」(山岡俊介「「基礎杭」全国トップ企業のマンション「建築基準法違反」疑惑」財界展望2005年11月号54頁)。

自然災害による復興需要が建設業界の追い風となるとする見解がある。しかし八王子公団欠陥マンションを施工した東急建設のような建設業者にとっては旧悪が露見する可能性が高い。災害後に手抜き施工業者を待つのは復興需要ではなく、損害賠償や社会的制裁である。

「人事天命 東急建設 一ヵ月半で二度の交代 迷走を象徴する社長人事」週刊ダイヤモンド2002年6月8日号
「東急建設に出資するフェニックスの思惑」金融ビジネス2003年11月号(東洋経済新報社)


東急建設の欠陥マンション

東急建設ら、欠陥マンション改修費を支払わず

独立行政法人・都市再生機構(旧都市基盤整備公団)が東京都八王子市内で分譲したマンション群に大規模な欠陥が見つかった問題で、機構が建て替えなどで昨年度までに計164億円を投入したものの、手抜き工事をしたとする建設業者の支払い拒否にあって、これまでに3億円以下しか回収できていないことが判明した。機構はマンション名を公表していないが、ベルコリーヌ南大沢とされる。

機構は、準大手の東急建設や中堅のピーエス三菱(旧三菱建設)を含む13共同企業体(36社)に、支払いを求めたが、これまでに18社が計3億円弱を払っただけという。取り壊し費や調査費がかさむため、全体の請求額は今後見込まれる費用も含めて計約600億円に上るという。東急建設は「機構は請求額しか示しておらず、欠陥が本当にあったかどうか判断できない」、ピーエス三菱は「コメントは差し控えたい」とする。

施工業者が頑なに支払いを拒否するため、機構は中央建設工事紛争審査会に仲裁の申立てを行った。手抜き工事をした施工業者から回収できないとなると、最終的な回収不能分は機構の負担となる。結局、国民の税金で負担させられる危険性が高い。施工業者の企業体質に欠陥がある。

欠陥マンション

問題のマンション群は、八王子市内に1988-92年にかけて、43の建設業者(うち39社は14の共同企業体を形成)が建設。46棟(計919戸)あり、建設費は計約200億円だった。89-93年に分譲され、46棟が6区画に分かれている。引渡し後、間もなく雨漏りや壁のひび割れが続発するなど、いろいろ苦情が絶えなかった。

建設から10年目の大規模修繕を機に手抜き工事が次々と発覚する。これまでに30棟で鉄筋の本数不足、コンクリートの厚さ不足などの重大な欠陥が見つかっている。壁や屋根へのコンクリートの流し込み不足によるもので、鉄筋のすきまに気泡ができたまま固まらせていたため、壁の内部はボロボロの状態だった(「公団の姿勢、あり方が問われる」週刊朝日2003年7月4日号)。外壁や内装をはがしたところ、コンクリートが入っていなかった、工事中の飲み物の缶が出てきた、大きな穴があいていた、ということもあった。

普通、欠陥マンションというと、特定のマンションで発生した欠陥をイメージするが、地域一帯で数十棟にも及ぶ、ということになると、これは尋常ではない。「いずれ時間が経てばわかるような手抜きを、しかも公団という上得意を相手にしてやるというのは、常識のらち外にある」(「世迷言」東海新報2005年04月05日)。建築の設計者の選定から始まって、設計、工事発注、工事監理、施工、完成に至る一連の建築生産システムに根本的な問題があることは明らかである。

欠陥工事の原因は、設計が複雑で高度な技術が要求されたこと、工事がバブル期で技術者が不足していたことや工期に間に合わせるために分割発注したため技術水準が低い業者が請け負ったことがあげられる。しかし、複数の業者が請け負っていて、共に手抜き工事となっているため、施工業者が手抜きを談合したのではないか、との疑いも起こりうる。

関係者は以下のように語る。「公団側は問題が表面化した際、“傾斜屋根でコンクリート工事が難しかった”と、建設会社側に立ったコメントをしていたが、いい加減にしろといいたい。あんなもの、500年も前のサンピエトル寺院のドームでも行われていた仕事ですよ」(山岡俊介「八王子の公団欠陥マンション問題のさらなる疑惑」ストレイ・ドッグ2005年6月9日)。

改修工事

ベルコリーヌ南大沢では欠陥に対する改修工事が行われている。欠陥がひどい4棟は、建物を取り壊し、新しく建て直すことにした。2004年9月末現在、27棟の計417世帯の住民が、仮移転を余儀なくされている。新たに同機構と住民側は、欠陥のひどい16棟を取り壊し、建て替えることで合意した。

残り2棟については、同機構は補修で対応できるとしており、協議を続ける(「東京・八王子の旧公団マンション、欠陥の16棟建て替え」朝日新聞2005年04月01日)。お座成りな改修では、継ぎはぎで何ら実効性のものに終わる可能性がある。ステータスは失われ、瓦礫未満のままに朽ち果てる数年後の想像を禁じ得ない。

「実はこの八王子のマンション、実態は全46棟とも建て替えていいほどの状況ながら、いまさらという住民の反対意見、構造上の問題による建て替えの困難さなどから、内20棟の建て替えだけに止まった」との見方さえ出ている(山岡俊介「八王子欠陥マンション、やはり旧公団と工事監理業者の癒着が根本原因か?」ストレイ・ドッグ2005年9月1日)。

指名停止

東急建設ら欠陥マンションの施工業者は独立行政法人「都市再生機構」から6ヵ月間(2005年1月24日〜7月23日)の指名停止措置を受けた。理由は「機構が発注した住宅建設工事において粗雑な工事を実施したため」である。指名停止期間が6ヶ月では短すぎるというのが正直な感想である。企業が「割に合わない」「長期になって下手すると倒産する」と 思うくらいの処置を取るべきである。

公団欠陥マンション問題は第155回国会、衆議院国土交通委員会第3号(2002年11月12日)、第6号(2002年12月6日)でも取り上げられた。

「旧都市整備公団の欠陥マンション、改修費の大半未回収」読売新聞2004年11月18日
「都市再生機構の欠陥マンション、構造計算書を「紛失」」読売新聞2004年11月22日
【社会】"前代未聞の手抜き工事" 業者は責任認めず…旧公団マンション、20棟建て直し

山岡俊介「八王子の公団欠陥マンションで指名停止処分を受けた業者名」ストレイ・ドッグ2005年5月20日
「当然ながら、これら建設費は欠陥工事をやった業者が負担すべきというのがまともな一般人の考え」(山岡俊介「前代未聞の欠陥公団マンション建設業者を指名停止にしない東京都を始めとする自治体」ストレイ・ドッグ2005年5月18日)。
「取り壊しも建て直しの工事も、この各社に責任を持たせてタダ働きさせればいいじゃないか。おっと、こいつらにはまともなマンションを建てる能力がないからダメか。それなのによく建設業者の看板かけて商売してるなあ。恥ずかしくないのか」(「手抜きくん、あんたの名前を教えろよ」江草乗の言いたい放題2005年04月02日)。

東急不動産とイーホームズ、耐震強度偽装問題 世紀東急工業のマンションで構造計算書偽装(アーバン武蔵小金井)

東急建設マンションへの建設反対運動

東急建設、近隣住民との合意なしに強制着工(ライオンズグローベル原木中山シティフォレスト)

株式会社グローベルスと施行業者の東急建設はマンション「ライオンズグローベル原木中山シティフォレスト」(千葉県市川市)の新築工事に関して近隣住民との合意なしに強制着工に踏み切った(2004年8月23日)。ライオンズグローベル原木中山シティフォレストが計画通りに着工すると、近隣住居では冬至日の日影時間が最大で6時間から7時間の影響を受ける。また、至近距離に素通しガラスの出窓とベランダが作られるため、プライバシーが損なわれる。

住民の声を徹底的に無視してなされた工事は強引で、近隣住民に多大な迷惑を及ぼし、不安を与えている。計画についての市民からの具体的質問にも応じないまま、工事を強行したことにより、今後、市民と事業者とのさらなる軋轢を生み、紛争につながることが懸念される。

建設反対運動を主導する「グローリア初穂南市川の環境を守る会」は、Webサイトで「11月9日の夜は一晩中工事現場に明かりが灯ったままでした。住民は太陽の光を望んでいますが、夜中の迷惑な照明は要望していません。同日のことですが、現場の前の道路で生コン車が垂れ流し洗車をしている光景もみられました。その前日は、歩道にクレーン車がはみ出た状態で警備員もいなく、歩行者にとって危険を感じる状況がありました」と語っている。

グローリア初穂南市川の環境を守る会◆「ライオンズグローベル原木中山シティフォレスト」建設問題を考える


東急建設施工の日本閣超高層マンションに住民反対運動(東京都中野区、パークタワー東中野)

東急建設施工の超高層マンション(東京・東中野)に住民反対運動が起きている。2004年4月に「日本閣超高層マンションから地域の住環境を守る会」(森紘一代表)が結成された。建設地周辺には反対運動のピンク色とブルーの幟がはためいている。幟には「日本閣33階110メートル 超高層マンション2棟 建築反対!!」と書かれている。

JR中央線東中野駅前の結婚式場「日本閣」の跡地に建設中の高層マンションは二棟からなる。一棟は日本閣観光が事業主の賃貸マンション(地上31階建て、高さ約113m、2007年9月竣工予定)で、低層部に商業施設を設ける予定。もう一棟は事業主が三井不動産の分譲マンション「パークタワー東中野」(地上30階建て、高さ約104m、2007年3月竣工予定)である。二棟とも設計・施工は東急建設で、2004年11月に着工した。工事も同時に進められている。計画通り完成すると二つのビルの影は長さ一キロ以上に及ぶ。

敷地は商業地域で日影規制はない。しかし、北側には第一種中高層住居専用地域が接しており、2時間の日影規制がかかっている。日本閣観光と三井不動産は、それぞれが事業主となるビルを個別の案件として建築確認を申請。日影規制についても、それぞれ1棟ごとに日影時間を算出して2時間以内という規制を満たし、2004年12月までに日本建築センターから確認が下りた。

これに対して守る会は、「計画地は同一の敷地であり、建設中の2棟の建物は用途上不可分。2棟の日影は、合わせて一つの建物の日影とみるべき」と主張する。実際には二つのビルでできる日影の時間を合わせると二時間以上となる個所は北側に広がる。地元の建築家によると、対象住宅は四十棟以上になるという(「中野区の“ツインタワー”建設 住環境保護へ法整備急務」産経新聞2005年1月17日)。

「住民説明会でも、事業主は2棟を一つのプロジェクトとして扱っていた。東側敷地は三井不動産に売却されるという説明だったが、2005年1月6日時点では分筆された形跡はなく、申請書類上でのみ敷地を分割していた」(守る会)。

守る会は東京都建築審査会に対して、建築確認の取り消しを求める審査請求を提出した(2005年1月27日)。「事業主が敷地を東西二つに形式的に分割し、別敷地として確認申請して、日影による高さ制限の規定を意図的に潜脱した」「二棟は同一の敷地に建つ一体の建物であり、両棟の日影を複合すると規制をクリアしない」とする。>

請求人の一人、甲斐正子さんは「終(つい)の棲家(すみか)として、静かで日当たりも良いこの場所を選んだ。降ってわいたマンション計画はどうしても納得できない」と訴える(吉田宇洋「住民『2棟は一体』業者『別々』 日影めぐり月内にも裁定」東京新聞2005年5月19日)。

東急建設、環境破壊の大型ホテル「ニラカナイ」施工強行(西表島)

東急建設は西表島月ヶ浜リゾートホテル新築工事の施工業者である。このリゾートホテル開発は大規模な自然破壊を招くものだが、地元の強力な反対を押し切り強行している。

施工主は株式会社ユニマット不動産であるが、東急建設は工事を請け負っただけだと責任を回避することは許されない。東急建設は開発計画初期の設計の段階から関与しており、現地の環境把握や地元住民と誠実に説明・話し合いを行なわずに着工したことが結果的に反対運動に繋がっていったことも熟知している。

西表島の重要性、天然記念物をはじめとする貴重な生物の存在すら全く認識しておらず、ユニマットと共謀し、自然を破壊し続ける行為には心の底から怒りを覚える。乱暴な工事や誠意のない対応には憤りがふつふつと湧き上がってくる。近時は環境への配慮に欠けていたマスツーリズムの反省から、観光分野で自然や景観保全の重要性が世界的に高まっている(「景観保全、地球的高まり WTO滋賀会議、各国観光施策を紹介」京都新聞2005年6月8日)。

西表島は静けさや、環境と生き物との繋がりが他所と本質的に異なり、世界的に見ても貴重な自然の宝庫である。マングローヴの林は魚やエビ、カニの住みかや産卵場所であり、イリオモテヤマネコの大事な住みかでもある。人類の活動が活発になるにつれ、絶滅した動物や絶滅に瀕している動物種のリストは長くなる一方である。ここでの開発工事は、非常に慎重かつ自主的に高度な環境基準を設定すべき場所である。この開発で西表島の人口が実質的に倍増し水不足などからのダム建設や更なる自然破壊も懸念されている。

南西楽園 西表サンクチュアリーリゾートニラカナイに反対する西表の未来を創る会 東急建設への抗議文 東急グループの不買

東急建設施工のマンション「フォートンヒルズ」に批判(横浜市戸塚区上品濃)

東急建設施工のマンション「フォートンヒルズ(フォートンの国)」に対し、欺瞞的だと批判されている。売主は藤和不動産株式会社、大和システム株式会社で、藤和不動産、三菱地所住宅販売株式会社が販売代理である。株式会社鴻池組、東急建設株式会社、株式会社新井組が施工する。

フォートンヒルズは森の中のマンションであることをセールスポイントにする。しかし静かで豊かだった森を切り崩してしまうのだから、当然、反対運動が生じた。森を切り崩しておきながら、「何が森だ!」というのが地域住民の偽らざる思いである。見晴らしのいい山にマンションを建てたために、花火大会が見れなくなると残念がる。あの山より更に奥に入っていくと怪しい雰囲気のする所が上品濃の良い所なのに、開発されてしまったら面白くも何もない所になってしまう。自然を破壊しているのにキャッチフレーズはいい加減である。


東急建設に対する行政処分

東急建設大阪支店、大阪府から指名停止

大阪府は大阪府建設工事等指名停止要綱に基づき、東急建設大阪支店(大阪市北区豊里)を建設工事等入札参加資格者の指名停止にした。措置期間は2004年4月7日から5月6日まで(1ヵ月)。府(土木部)発注工事の施工に当たり、安全管理の措置が不適切であったため、工事関係者が負傷したことを理由とする(大阪府「建設工事等入札参加資格者の指名停止について」2004年4月7日)。

東急グループの世紀東急工業、労災の虚偽報告で指名停止

北海道開発局は2002年4月15日、同局が発注した工事で起きた労災事故で労働基準監督署に虚偽の報告をしたとして、東急グループの世紀東急工業株式会社など6社を1カ月間の指名停止処分とした(「労災の虚偽報告で6社を指名停止」日経コンストラクション2002年5月10日号)。

事故が起きたのは大野ダムから農業用水を供給するパイプラインを敷設する大野川注水工工事の現場。99年9月、作業員がクレーンで移動中だった敷き鉄板に接触し、右足を骨折した。ところが三次下請け会社の佐武は工事とは無関係の三浦建設などと共謀。作業員が工事とは三浦建設の資材置き場で負傷したという虚偽の報告を函館労働基準監督署に提出した。二次下請け会社の世紀東急工業は、この虚偽の報告を把握していなかったという。

旧東急建設ら、新潟談合で課徴金納付命令

新潟市発注の土木建築工事を巡る官製談合事件で、公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いでの排除勧告を応諾するなどした建設会社計20社に対し、総額1億9900万円の課徴金納付命令を出した。20社が落札した工事42件の売上総額54億7726万円の6%(中小企業は3%)を談合による不当利得と認定した(「新潟市・官製談合:建設会社20社に課徴金2億円納付を命令」毎日新聞2005年8月4日)。

建設事業を新会社に引き継いだため勧告対象にはならなかったTCプロパティーズ(旧東急建設)も違反行為を行っていた期間の売上に対し、課徴金納付を命じられた(「新潟官製談合、20社に課徴金納付命令・公取委」日本経済新聞2005年8月3日)。課徴金額は2015万円である(「公取委、新潟市談合で20業者に課徴金2億円」読売新聞2005年8月4日)。

談合は公正さ、フェアプレーの精神を冒涜するものである。業者が談合という悪習に結束して甘い汁を吸う限り、公正であるべき競争入札は有名無実化する。「被告側は「共存共栄だ」と言いたいだろうが、競争することで企業が機会を獲得し、磨かれていく」(猪瀬直樹「「常識」の乖離 公判で解明を」朝日新聞2005年12月17日)。

談合で膨れ上がった余分な費用は市民の税金で負担される。談合による損害額は膨大であり、税金が企業に不当利益をもたらしていると思うと怒りが募る。何たる不条理か。法的にも、倫理的にも、国民感情上も許される行為ではない。


東急建設関連ニュース

東急建設、ワームBlasterに感染(2003年夏)

2003年8月に大流行したワーム型ウィルスBlasterに東急建設の社内システムも感染した。東急建設ではPCのOSを導入当初のWindows 2000 Service Pack 2に固定し、セキュリティパッチ適用の仕組みがなかったことが、感染を許した原因とされる(「プロが教える正しいWindowsの管理」日経Windowsプロ2005年4月号69頁)。

管理や運用上のミス(甘さ)によって、社内システム全体が危機にさらされてしまう可能性がある。技術的対策だけでなく、組織として意識の向上を図る必要もある。情報セキュリティを維持していくためには、利用者教育だけでなく、セキュリティ技術者も教育する必要がある。

セキュリティインシデントが発生した場合、コンティンジンシープランに従い、適切に初動処理にて被害拡大を回避した後、事故からのシステム復旧を行わなければならない。タイムリーに対処しなければ、二次的なインシデントの発生や被害の拡大を招き得る。被害回復や再発防止のために必要であれば、システムの再構成を実施する。

東急建設「横浜住宅開発」につぎ込まれた300億円の「怪」

金融監督庁による銀行精査では担保不動産の評価は、仮に将来有望な物件であったとしても、現時点での換金性の有無が優良・不良債権の分かれ目になるといわれている。ではこのケースは・・・・・・(「東急建設「横浜住宅開発」につぎ込まれた300億円の「怪」」財界展望1998年11月号)。

世紀東急の第三者割当

世紀東急<1898>は、6000万株の普通株の第3者割り当てと優先株1840万株の第3者割当を発表した。安易な第三者割当増資は既存株主にとっては株式価値や持株比率を低下させてしまう弊害がある。一層株価を押し下げてしまう悪循環に陥る危険性もある。その場しのぎの延命策は、既存株主の財産価値低下(希薄化)を加速させるだけである。

普通株はフェニックスキャピタルに4000万株・東急建設に2000万株、割当価格50円、A種優先株・1株500円で600万株を全額30億円を東急建設に割当、B種優先株1240万株は全株フェニックスキャピタルに割り当て、1株500円・62億円。資金の使途は有利子負債削減や事業運転資金に充当するとする(「世紀東急の第3者割当」証券新報2005年07月08日)。

東急建設と世紀東急、日本道路公団OBの天下り受け入れ

東急建設(株)と世紀東急工業(株)は日本道路公団OBの天下りを受け入れている。判明しているだけでも東急建設は3人、世紀東急工業は5人も受け入れている(猪瀬直樹「ファミリー企業を絞るといくらの利益が出てくるのか」道路関係四公団民営化推進委員会2002年8月6日)。

天下りは談合の元凶である。透けて見えてくるのは発注者側の公団現職幹部、公団OB、受注者である建設会社が天下りをテコにして、甘い汁の温存に狂奔する醜悪な構図である。「天下り先を確保したい公団と、高値で受注したい業界が官製談合によって、それぞれ甘い汁を吸っていた」(「またも官製談合なのか」朝日新聞2005年11月18日)。

幹部は退職する職員の受け入れを各メーカーにあっせんする。将来の自分のためでもある。天下りした職員はポストなどにより二千万円ともいわれる年収を確保。受け入れたメーカーは見返りに数十億円もの工事を予定価格に近い額で受注する。形を変えた組織的な贈収賄にさえ見える(「公団副総裁の逮捕 私物化の体質を変えよ」中国新聞2005年7月27日)。

業界関係者は「天下りの受け入れと、受注額は比例している」と証言する(「癒着体質の根は深い」沖縄タイムス2005年7月27日)。東京都内の建設会社社長は「受注が期待できなければ、この不景気に1000万円以上の年収を払って天下りを迎えたりしない」と言い切る(足立大「天下り談合根絶へ」読売新聞2005年8月25日)。

日経ビジネスのアンケート調査では天下り停止に70.8%が賛成した(「天下り停止に賛成7割超」日経ビジネス2005年8月22日号138頁)。

東急不動産トラブル

東急不動産、消費者契約法違反(不利益事実不告知)で提訴される

東急不動産(販売代理:東急リバブル)が不利益事実を告知せずにマンションを販売したとして、東急不動産を被告とし、消費者契約法4条(不利益事実不告知)に基づき、マンション購入契約の取消及び購入代金の返還を求めて東京地裁に提訴した(2005年2月18日、平成17年(ワ)3018)。

問題の物件は東京都江東区内の8階建てマンション「アルス東陽町」である。東急不動産は、同マンションの隣地に、近く3階建ての工務店の作業場が建てられることを知っていたし、また、作業場側からも販売の際、その旨、説明するように強く言われていた。それにも拘わらず、販売時には意図的にその事実を告げず、よって購入者に経済的損失と精神的苦痛を与えたとする。 詳細

東急不動産らのマンション計画「(仮称)平塚袖ヶ浜計画」に住民反対運動(神奈川県平塚市)

旧杏雲堂平塚病院(現ふれあい平塚ホスピタル)の敷地内に予定されているマンション建設計画に対し、地元住民による反対運動が展開されている。このマンションは東京建物(株)、東急不動産(株)、三菱地所(株)が事業主となり計画している「(仮称)平塚袖ヶ浜計画」。ふれあい平塚ホスピタルの敷地内に3棟(333戸)が建設され、このうち東側道路に面するA棟の一部は、地上16階建て高さ49.13メートルとなる予定。 詳細

主張・論説

東急リバブル及び東急不動産に関しては、信じられないようなトラブルが次々と明るみに出ている。今まで一般に公開されてこなかった情報が次から次へと出てきている。物件に関する不利な情報を買主に説明しないで、問題物件を売却してしまうという売主としての信用を疑うトラブルもある。特に最近は手口が悪質、巧妙化している。「一体どうなっているのか」と思わず呟きたくなる。余りといえば余りな醜態である。都合の悪い事実を隠して販売するのがお家芸と言えるかもしれない。

しかも、これは氷山の一角に過ぎず、その裏には膨大な数のトラブルが潜むと言われている。消費者被害を受けた消費者のうちで、消費生活センターなどの相談窓口に行く人の割合は大変少ない。消費生活センターなど役所の相談窓口に苦情を申し出た人は僅か2.1%である(国民生活センター、第29回国民生活動向調査、1999年4月27日)。被害者の屍累々たる上に今日の東急リバブル・東急不動産が存在する。

他にも都合の悪い事実を隠して屑物件を販売した可能性は十分にある。消費者が「まだ何か隠していることがあるのではないか」と考えても不思議ではない。何か後ろめたい部分や、知られたくない何かがあるんじゃないかと勘ぐるのも自然な流れである。「冷静に」と言う向きもあるかもしれないが、消費者の不安は当然のことである。

これらトラブルについて東急リバブル・東急不動産は、基本的に自社の非を一切認めていない。一切認めていないということは、今後も大阪高裁判決の事件のように、知っていても都合の悪い事実は隠し、正直に説明したら売れるはずもない物件を売りつける手法を改める意思はないということである。消費者の信頼を裏切ったことに対する自覚は皆無である。

売り上げ優先で「事実を告げると売れなくなる」「本当のことを言ったら価値が下がる」との論理から屑同然の物件を誤魔化して販売する業者は信頼に値しない。購入した物件にどんな欠陥や瑕疵が隠されているかわからない。

不動産取引は高額取引であり、住宅は多くの人にとって一生に一度の大きな買い物である。従って、不誠実な業者からの購入は避けるのが賢い消費者である。リスクの多い物件は最初から買わないことである。「悪徳不動産業者の魔の手から逃れて公正な不動産取引をするためには、ひとつには悪徳業者と取引しないことです」(高橋達夫、悪徳不動産業者撃退マニュアル、泰光堂、2000年、11頁)。

危険を避けるための、最も有効な考えは「危うきに近寄らず」である。当たり前のことだが、危ないと思うならば、しないに越したことはない。初めから土俵に上がらなければ怪我をすることもない。悪徳不動産業者から住宅を購入しないように気をつけよう。悪徳不動産業者の手口に引っかからないようにしよう。

悪徳業者の物件を買うのは怖い。おかしいことや不信、諦めやごまかしなど、わけのわからないことに巻き込まれる危険性が非常に高い。どんな災難が潜んでいるか、どんなトラブルに巻き込まれるか分からない。そしてトラブルが発生したとしても満足な対応はしてくれないだろう。もしかすると、手付金だけとって姿をくらますことも十分考えられる。

東急リバブル及び東急不動産との不動産取引を検討される方へ

東急リバブル及び東急不動産との不動産取引を検討される方は、両社の本社・支社等に本サイト記載トラブルの事実確認をされてから、契約締結の判断をされることを推奨する。本サイトの内容と、各事業者のWebサイト上に記載されている会社概要や宣伝キャッチコピーを比較検討されることを希望する。

ベストなマイホーム選びをしていただくためは、契約前のプロセスが大切である。それが入居後の満足、また将来のリスクヘッジにもつながる。何しろ何千万円もする取引である。相手の素性を確かめずに取引するのは大変危険である。欧米人のように何事についてもきちんと確かめ、間違いないとなってから決断したり行動したりしないと、とんでもない羽目に陥ってしまう。

不動産業者から物件情報を受け取るだけでなく、その会社自身に関する情報を自ら収集することが大切である。過去の事例を知ることはとても大事なことである。現在は過去の積み重ねだからである。過去の事例により、その企業の現在の姿がわかる。

「木を見て森を見ず」という言葉がある。しかし木を見なければ森は見えない。木だけを見ていてもやはり森は見えない。森を見るつもりで、木を見なければならない。

告発サイト

インターネットで丹念に調査をすれば、不動産トラブル情報を入手できる。企業が自社の利益第一を追求しているか、居住者の生活を考えているかは調べればすぐに判明することである。情報専門家の間では「秘密情報の98パーセントは、実は公開情報の中に埋もれている」と言われている(佐藤優、国家の罠、新潮社、2005年、189頁)。

会社の情報は、その会社のWebサイトからのみでは不十分である。インターネット情報でも一般に業者によるものは結局宣伝に過ぎず、信用できないことは言うまでもない。

検索エンジンから、購入を検討している不動産会社名に「告発」「トラブル」「悪評」などのキーワードを付して検索すれば、色々なサイトが出てくる。告発サイトは個人の実体験に基づくものなので、信憑性も高く、不動産会社の意外な評判を知ることができる。

「匿名性の高い場においては、より深い情報が入る一方でデマや誹謗中傷なども起こりやすい。ただし、そのような発言に対するチェックが厳しく入るのも匿名度の高い場の特徴」である(國領二郎「ネット上における消費者の組織化」日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業プロジェクト「電子社会と市場経済」ディスカッションペーパーNo.73、2001年3月、4頁)。

インターネット

インターネットが登場するまでは、消費者の主たる情報源はマスメディアであった。不動産業者は広告スポンサーであり、マスメディアからみれば顧客である。そのため、不動産トラブルがマスメディアで報道されることは少なかった。

報道しないようにしていたと言う方がいいかもしれない。それで世間の目を欺いて何事もないかのように装っていた。マスメディアで報道されることを絶対的な事実として受け取る人は少なくない。反対に報道されないことを、そのような事実がないかのように錯覚してしまう人も少なくない。本当に重要なニュースは報道されないことがある。

ニュースを新聞や雑誌、テレビからリアルタイムに仕入れることは大切なことである。しかし本当に大事なことは、報道された事実に対する自分なりの見解を、しっかりと持つことである。情報源をマスメディアの報道だけに頼っていると、知識が断片的、付け焼き刃的になりがちで、自分の見解どころではない。

インターネットの普及で状況は変わった。インターネットは個人レベルで情報を発信できる。インターネットは情報発信コストを大幅に低下させた。結果としてこれまでは情報の受信側にしかありえなかった消費者も情報発信の主体となる。「悪事千里を走る」という諺通り、掲示板やブログを通じてデベロッパーの問題点が一瞬にして全国に流される。

誰かが東急不動産・東急リバブルの詐欺的商法に対してその実態を告発する。「東急不動産は、このような酷いことをしている」と。すると、それに似た経験を持つ者が、それに賛同する意見を発信する。一つの事件が告発されたら、他のトラブルもボロボロと出てきた。これまでは表沙汰にされていなかっただけで、トラブルは腐るほど存在していたため、当然のことながら、その輪も急速に拡がった。

インターネットは個人が巨大な組織と闘う時の武器になることは確かである。東芝クレーマー事件でも、東芝は当初は横柄な態度をとっていたが、最後は訴えた個人に謝罪する羽目になった。

東急リバブル東急不動産不買運動

東急リバブル・東急不動産不買運動は、東急リバブル及び東急不動産のトラブル並びにトラブルに際しての不誠実な対応を可能な限り多くの方々に伝えることにより、不動産売買を検討される方に参考情報を提供することを活動目的とする。東急グループの悪質さを広く一般に知って貰い、各自が行動を起こしていくのを支援する。

被害者の苦しみはいかに深いか、原告は権利を回復するために、どれほどの労苦を強いられるのか、などは通常は中々報道されない。これらのことを本サイトを通じて知ってもらうこと自体に大きな意味がある。東急リバブル・東急不動産がタイタニック号ならば東急リバブル東急不動産不買運動は氷山である。

東急不動産及び東急リバブルの悪質な販売戦略と消費者を馬鹿にした対応が一日も早く世間に周知されることを希望する。さもなければ同じような被害者がどんどん生み出されることになる。情報は公開されることによってあるべき事態を早める効果を持つ。東急リバブル東急不動産不買運動が悪質な不動産業者に対する警告となり、安心して住める社会への一助となれば幸いである。

東急リバブル東急不動産不買運動の使命は、人々に良い影響を与えることである。東急リバブル東急不動産不買運動に接することで、接した人から希望や活力が生まれるような活動を目指す。不買運動は自然発生したもので、そこには何の煽動も共謀も存在しない。今後とも益々皆様のお役に立てるサービス・情報を展開していきたい。

本サイトを読み終えた後、体に力がみなぎっていることを実感できるだろう。読まれた方は日本の住宅、不動産業界のあり方について、本当の豊かさや幸福とは何なのかについて少なからず感じることがあるのでは、と思う。思想は一度抱かれたからには消え失せることはない。消費者が存続する限り、悪徳不動産業者を消滅させたいと熾烈に願い続ける筈である。

情報には発信すればするほど、逆に情報が集まってくるという性質がある。東急リバブル・東急不動産関連の不動産トラブルは太平洋の海水の如く豊富だが、それを汲み上げる担当者の手は幼児の如く小さい。是非多くの人に汲み出しに参加していただきたいと思っている。

不買運動

不買運動は消費者の正当な権利である。商品を買わない事により企業に圧力をかける方法である。不買運動は企業に対する抗議を表す手段としては一般的なものとなっている。ネット上における不買運動も多く見られる。すぐにも行動に起こせる抗議形態として定着している(國領二郎「ネット上における消費者の組織化」日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業プロジェクト「電子社会と市場経済」ディスカッションペーパーNo.73、2001年3月、3頁)。

消費者の力が不買運動の一番の原動力である。消費者がモラルを無視する悪徳不動産企業を許さないという強い意志を表明することは、モラルハザードを抑止するために有効である。「この世の悲劇は怒るべき時に怒りそこなうことに原因がある」(高村明子、泣き寝入りしたくない人のための本人訴訟のススメ、創栄出版、2000年、1頁)。

消費者ができることは第一に東急を利用しないことである。商品を買わない。サービスを利用しない。他でできることは他に行く。同じ目的地に向かう電車なら他社路線に乗る、別の交通手段を使う。スーパーならよそで買う。各々が不買宣言することにより、企業もも問題の大きさを理解することができる。

自分一人が買わなくても大企業には大してダメージがないと思われるかもしれない。しかし、あなたの努力に賛同する人達が沢山いるはずである。一人一人の地道な活動が世の中を良くする。小さな変化でも起こすのには意外と労力がいる。だからこそ、やり遂げた時の喜びも大きい。私達一人一人の努力は数になり、大企業をも動かす。

キーワードはBetter than nothingである。やることが即解決にならないとしても、やらないよりはいい。好機の波は全体の必要や、その時々の社会の発展段階に応じて、様々な方向に向かって流れるものである。無知や無気力に囚われて、チャンスを逃してはいけない。「解決策がない」という感覚だけは絶対に捨てよう。

成功への最大の鍵は、諦めずに行動を続ける力である。何か行動を起こせば、必ず何かが学べる。そこから道が開け、やがて良い結果が出せるようになる。一貫した行動を続けていれば、そして柔軟な感覚で目標を追求し続ければ、必ず努力は身を結ぶ。水滴でもコップの中にためていけば溢れさせることができる。蟻の一穴が巨大な堤防を決壊させる。小さな動きが雪だるま式に大きな渦になる。

賛同者の動機は全く問わない。各位の個人的な動機から、できるだけ多くの方が不買に賛同してくださると幸甚である。不買運動の輪を広げよう。やりはじめると結構楽しいものである。旅の目的がどこかに着くことであるとしても、途中の風景を楽しむことは悪くない。熱しやすく冷めやすいのが日本人の欠点とされる。気長に楽しみながらやっていきたい。

のまネコ問題

著作権違反疑惑「のまネコ問題」において、エイベックス・グループ・ホールディングスは「のまネコ」の商標登録出願断念に追い込まれた(「<のまネコ問題>エイベックスが商標登録を中止へ」毎日新聞2005年9月30日)。その後、ぬいぐるみなどの「のまネコグッズ」について、同社が受け取る契約になっているキャラクター使用料を一切受け取らないと発表した(「のまネコ:キャラクター使用料受け取らず エイベックス」毎日新聞2005年10月12日)。

今回の結果は「掲示板で自然発生的に登場したキャラクター『モナー』を特定企業が改変して金儲けに使うのは納得できない」「「エイベックスが収益を得るのはおかしい」」という消費者の批判によるものである。地味な活動でも、確実に大きな流れを起こせることが証明された。

不動産トラブル

不動産トラブルは、明るみに出るのは氷山の一角で、買主が泣き寝入りする例がほとんどであると予想される。一人で悩まれている方も多いと思われる。それ故、不動産トラブルを広く紹介することには大きな意義がある。自分が躓いた石をそのままにしておけば、他の誰かが転んでしまうかもしれない。不動産業界は自浄作用の働きにくい世界であり、消費者が声を上げていくことが今後ますます必要になる。

国民生活センター(東京)に寄せられた新築分譲マンションの苦情・相談件数は、1990年度は401件だったが、97年度に初めて2000件を突破。1999年度は90年度の7倍近い2737件に上った。同センターによると、苦情の中身は「さら地の時にはわからなかったが、完成後、基地が見えた」「浴槽の仕様がモデルルームと実際の部屋で異なった」「外光がまったく入らない」「化学工場跡地の土壌汚染について、事前に説明を受けなかった」等がある(「青田売りマンション説明義務「実物見たのと同程度に」」朝日新聞2000年10月30日)。

「社長が覚醒剤をたしなんだり、子会社の社長が猥褻で捕まったりと最近の上場不動産屋は危ない話が多すぎます」(「【読者の声】平和不動産も上場企業、D社も上場企業、もうやめよう乱開発」司法ジャーナル2005年08月22日号)。

不都合な事実の隠蔽

都合の悪い事実を隠して問題物件を売りつけることは悪質な詐欺的商法である。消費者の信頼を嘘やごまかしで踏みにじる悪質な背信行為である。消費者の信頼を踏みにじる行為は到底許されない。消費者の信頼を逆手にとる、東急リバブルや東急不動産の詐欺的販売が許される道理はない。「販売担当者の知識不足だった」では済まされない問題である。三菱地所の土壌汚染隠しに見られるように、国民の安全を脅かし、生命をも奪いうる重大問題である。

企業倫理の観点から見て、弁解の余地なく非倫理的であることは論を待たない。最低限のマナー、モラル、人間としての責任のいかなる点からも正当化されない。上場会社が周到な計画で消費者を欺くなど、自殺行為もいいところである。自らの首を絞める偽装行為であり、浅はかの一語に尽きる。

企業として絶対にあってはならない行為である。このようなトラブルが企業にとって何より大切にしなければならない信用を大きく傷つけてしまうことは間違いない。消費者の信頼を裏切ることは、牛肉偽装事件で解散に追い込まれた雪印食品の例を出すまでもなく、企業そのものの存在さえ危うくしかねないものである。

公正で健全な取引を妨げる重大なルール違反である。購入者への背信となるだけでなく、市場の公正な価格形成を損なう背信行為である。公正さや透明性が原則の経済社会の信頼性をも揺るがしかねない反社会的行為である。市場の混乱につながる可能性もある。資本主義を冒涜する暴挙である。

長年の不明朗な不動産取引のウミが噴出した、前近代的経済事犯である。不動産取引市場が未成熟で不透明な部分を抱えていることの証明にほかならない。常識では信じられない行為に踏み切った背景には、大企業に染みついた驕りや甘えがあったとしか思えない。金儲けのためならば何をやっても構わないという奢りがある。企業モラルの崩壊に危機感を深めざるを得ない。

詐欺的商法及び不誠実な対応

東急リバブルや東急不動産の詐欺的商法及び不誠実な対応には己の営利を追求する姿勢以外のものは何一つ見出されない。戦後最悪の集団食中毒を起こした雪印乳業や三菱自動車、明治安田生命と何ら変わらない企業である。その無責任・横暴・反倫理性には眼を覆うものがある。

相手が一消費者である限り、いかなる不正を行おうと屑同然の無価値の物件を売却しようと意に返さない。屑物件を言葉巧みに高値で売却し、購入者に人生を滅茶苦茶にする。購入者が屑物件を抱えて住宅ローン破産でもしようものならば「ざまーミロ」と祝杯をあげかねない悪徳不動産業者である。

企業倫理も何もあったものではない。良識とは縁の無い会社である。モラル荒廃が根深く広がっている。腐敗は構造的で、極めて根深い。根底には目的のためには手段を選ばずという経営体質がある。短絡的・近視眼的な営利主義であり、10年後20年後のことを見据えた要素は皆無である。経営姿勢に根源的な問題がある。経営そのものに欠陥がある。利益第一主義の風土が企業倫理や法令順守に背を向けさせ続けている。似たようなトラブルを繰り返しているのは前近代的な経営体質に原因があると言える。

これほど無茶苦茶な会社が今まで存続できたのが不思議なくらいである。今時このような会社が存在しているとは信じられない。業界研究をすればするほど危ない会社と判明する。選んではいけない会社の代名詞である。不誠実の塊であり、消費者不在の姿勢である。消費者を馬鹿にするにもほどがある。信じられない感覚の鈍さである。改革のために必要なことは行わずに、むしろ時勢の流れに逆らうために、法外な時間を費やしている。

罪深さ

多くの購入者にとって不動産は一生に一度あるかないかの大きな買い物である。一生のうちで最大の買い物とも言われる。不動産業者の仕事は物件を紹介して契約を取るだけではない。購入者の不安を払拭し個々のライフプランを聞き、夢を形にしてあげるまでが仕事である。ただ売ればいいというのでは顧客との信用は形成されない。

住民にとって住宅は分譲されたら終わりではない。10年20年経っても「この家を購入してよかった」と思いたいために購入するのが普通である。客を生涯後悔させない、いい物件を紹介してこそ、将来的にも仕事のできる営業である。

「いい家に住みたい」というのは誰もが抱く当たり前の願いである。明るい生活が出来るのも、快適な住まいがあればこそである。しかし悪徳不動産業者はこのような当たり前の願いを腹の中で一蹴する。

東急リバブルや東急不動産の販売手法は購入者の思いを完全に無視し、裏切るものである。消費者の夢をかなえるような素振りをしながら、実は自社の利益しか考えていない。消費者の夢を扱っているにもかかわらず、夢とは正反対の方向を向いている。マイホームへの夢を食い物にして、あの手この手で罠を仕掛けている。余りに卑劣で汚い手口に怒りは収まらない。

一人一人の被害者や、その家族の方々のことを思うと、本当に罪深い企業である。悲惨な境遇を思うと、激しい怒りを禁じ得ない。資金を貯め、ローンを組み、夢のマイホームを購入したのに気の毒である。一生に一度あるかないかの大切な買い物が粉々に打ち砕かれてしまった。

一生懸命選んで購入したにもかかわらず、悪徳不動産業者に騙されてしまい、無価値の物件を抱え、買い替えもままならない。死ぬまでローンを払い続けなければならない。苦しい思いをしてまでも返済するか、借金の上にさらに借金してでも処分するか。住宅を購入しても、結局は借金だけが残るのでは、何のためのマイホームかということになる。

人生を狂わされ、夢を失い、塗炭の苦しみを味わうことになる。膨大な借金を抱え込み、これまで築きあげてきたものの全てを失ってしまう。自らの命を抹殺する人、社会的に抹殺される人、家庭崩壊を招く人、何とかリベンジしょうとしてもあまりの深手で再起できない人、様々である。人生はやり直すことができない。

電化製品ならまだやり直しができるかもしれないが、不動産ではたまらない。もう二度と取り返せないものを失うことになる。賃貸に対する分譲のメリットを語る時に「家賃はドブに捨てるようなもの」と言われるが、我慢して住まなければならないマンションのローンと金利もドブに捨てることと何ら変わらない。

個人の尊厳を踏みにじる企業は許せない。なり振り構わぬ悪徳不動産業者のエゲツナサに対しては、これ以上ないくらいの怒りを覚える。血も涙もない企業である。いくら糾弾しても腹の虫が収まらないほどに腹が立つ。カミソリで全身の皮膚を0.5ミリずつ削ってしまいたいところである。腐った腸を引きずり出し、塩焼きにして人面魚の餌にしてしまいたい。血管を切り開いて全身の血を悪魔に飲ませてしまいたい。

それくらいの目にあったところで悪徳不動産業者が文句を言える筋合いではない。嘘ばかりつき、悪口ばかり言って消費者から大金を騙し取ってきた。悪徳不動産業者の悪質さを考えれば、当然である。無責任極まりない悪徳不動産業者のことを考えるだけで精神の沃野を汚水で汚される思いになる。

不動産市場の特徴

日用品などは売る側も一見客以上にリピーターを期待しているため、顧客満足に注意を払うことが多い。消費者としても粗悪品を売った店からは二度と買わないという形で対応できる。しかし不動産は一生に一度の大きな買い物と言われる。そのため、東急リバブルや東急不動産のような筋金入りの悪徳業者でなくても、売ったら売りっぱなし、どんな物件でも売ってしまえば後は責任なし、後は野となれ山となれ的営業の誘惑に陥りやすい市場構造になっている。その結果、「石川の浜の真砂は尽きるとも、世に悪徳不動産業者の種は尽きまじ」ということになる。

従って、不動産業界においては都合の悪い事実を隠蔽して欠陥物件を売りつける悪徳業者も跋扈しやすい。嘘をついてでも売らなければ、成績が上がらず、給料も職も失ってしまうのが、悪徳企業における不動産営業の実態かもしれない。しかし、だからといって詐欺行為を行うことに同情の余地はない。悪徳業者が大手を名乗り、堂々と営業している状態が現実であるならば、少なくとも嘘が明らかになったら、もっと大きいペナルティを科さなければ、悪徳商法は抑制されない。重い刑罰が科せられなければ抑止力も働かないから、同様の被害が繰り返される可能性が非常に高い。

宅建業者の説明義務

宅地建物取引業者との不動産売買等の仲介契約は、準委任契約と解するのが通説・判例である。これにより、不動産仲介業者は、民法644条により善管注意義務を負う。宅地建物取引業法35条の重要事項説明義務は、その具体的な一つの義務とされる。

重要事項とは、当該事実を告げないことによって取引の相手方などが重大な不利益を蒙る事実であり、法35条が列挙する事由に限られず、より範囲が広いものである。その地域の持つ特性や危険性を説明することは当然である。住人に心理的に影響が出るような問題がある場合は告知しなければならない。一般取引において当然説明するべき事項については、買主が明確に条件提示していないものであっても調査・説明する義務がある。

素人の知らないことをきちんと伝えて、安心な取引ができるようにするのが不動産業者の本来の仕事である。できるだけ多くの情報を伝えることが消費者の安心と信用を得ることになるのは言うまでもない。住んでから納得できない部分が出てきそうなところは、キチンと伝えることが当然である。

「聞かれなかったから」ではなく、聞かれなくても当然のこととして説明すべきである。親兄弟が物件を欲しいと言った時と同じようにすべきである。加えて業者としては、事前にきちんと買主から希望をリサーチしておくべきである。後日のトラブルを防ぐためにも、買主の希望については積極的に聞き出しておくべきである。

物件の調査義務・説明義務は、宅建業者としての通常の業務をしていれば当然に行うべきことである。騒音、周辺環境、日照などについては売買価格(賃貸価格)の設定の際に考慮するものであり、特別な作業をしなくても把握可能である。

「一方的な依存関係が強い場合には、業者が誠実に業務を遂行した旨のより詳細な説明義務が付加される」「顧客のプロ・アマ度合いを踏まえて対処することが実務上必要である」(三木まり「投資顧問業者の注意義務について(2)」財団法人日本証券経済研究所大阪研究所・証研レポート1608号、2002年、13頁)。

情報の非対称性

仲介業者は物件を仲介するに当たり、物件に関するさまざまな情報を買主以上に知りうる立場にある。前主が家屋を手放した時の事情等も調べうるし、不動産に関する法律知識も豊富であるのだから、それについて対策を講じうる。消費者と事業者の情報の非対称性は大きく、消費者側の努力のみで、これを対称なものとすることは困難である。

一般人にとっては、不動産の購入と言うのは一生に一度くらいのもので、いくら一生懸命に勉強し、調査をしたとしても、百戦錬磨の不動産業者に比べると不利な面は否めない。情報量もマンパワーも体力もかけ離れている組織と個人で、まともに戦っても勝負にならない。高齢者や若者の被害が増えている状況にも考慮する必要がある。業者が巧妙になればなるほど、消費者は判断できず、専門家に騙されては打つ手がない。

従って、正確な物件情報の公開が不動産販売の前提となる。売る側、貸す側には住む側に正確な情報を伝える義務がある。問題がある物件には買い手・借り手がつきにくいが、それを隠して販売・仲介することは詐欺である。事業者に十分な説明義務を課し、その遵守に向けて的確で十分な措置を取らせ、万が一の義務違反にはペナルティをも課すことは正当である。さもなければ消費者があまりにも割を食いすぎる。

「消費者に対する説明義務・情報提供義務をつくそうとしない、おろそかにする事業者は、消費者契約締結についての姿勢に大きな問題がある」(村千鶴子、Q&Aケースでわかる市民のための消費者契約法、2001年、25頁)。その意味で、東急リバブル及び東急不動産の説明義務違反に関する一連のトラブルは看過できない。

もし業者が知っている情報を一方的に取捨選択して都合のよい事実のみを美辞麗句で飾り、都合の悪い事実は重要な情報ではないと一方的に判断して消費者に伝えないことが許されるならば、買主は常に欠陥物件を買わされる危険性がある。住居の問題は住む人にとっては日々の生活にかかわる深刻な問題であり、事実を知らされなかっとしたら打つ手はない。買主は購入後に初めて欠陥に気付き、残ったのは住む価値のない欠陥物件と借金だけということになりかねない。

宅地建物取引業法

「宅地建物取引業法は、その業を営むものに、免許を与えることにより関係法規の遵守をうながし、宅地建物取引業の健全化を図り、結果的に消費者を保護することを目的としてます」(「【読者の声】都市計画法、建築基準法、宅地建物取引業法の精神とは」司法ジャーナル2005年08月29日号)。

「宅建業法は、重要な事項は入居者に事前説明するよう業者に義務づけており、違反した場合は営業停止や免許取り消しなど行政処分の対象となる」(「東京都がヒューザー専務らを聴取 宅建業法違反の疑い」朝日新聞2005年12月15日)。

宅建業法47条では業務に関する禁止事項を定めており、違反した宅建業者には刑事罰も科せられる。

(業務に関する禁止事項)
第四十七条
 宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
二 不当に高額の報酬を要求する行為
三 手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為

第八十条
 第四十七条の規定に違反して同条第一号又は第二号に掲げる行為をした者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

裁判例

取引対象土地の近辺の眺望、建築計画を知っていながら、買主に告げない場合には注意義務違反の責任を問われる。これは調査義務ではなく、知っていたのに言わなかったという問題である。尚、住居に住めない(生活できない)と認められる事情や建物の歴史的経緯(以前の住人が家で自殺した等)がある場合は瑕疵担保責任が認められる。

「マンションの場合には、室内での自殺などのできごとがあったことは、住まいとしてのマンションの品質にかかわるものである」(村千鶴子、Q&Aケースでわかる市民のための消費者契約法、中央経済社、2001年、73頁)。

名古屋地裁昭和59年2月10日「宅建業者が、土地の売買の仲介をするにあたり、買主がゴルフ場用地とする目的で取得することを知りながら、同地に特別高圧送電のための鉄塔の建設の予定があることを買主に告知しないのは、仲介業務上の注意義務を怠ったものである」

松山地裁平成10年5月11日「土地の売主である宅建業者が南側隣接地に高架道路を建設する計画があることを知りながら買主にその事実を説明しなかったことは、重大な契約上の義務違反であるとして、土地及び建物の減価額と精神的損害につき、損害賠償請求が認容された」

東京地判平成11年2月25日判例時報1676号71頁「マンションの南側隣接地に建物を建築する計画は、マンション購入の意思決定に重要な意義を持つ事項であり、マンションを分譲販売する宅建業者は、売買契約に付随する義務として、右計画を購入者に告知すべき義務を負う」

二条城事件

青田売りのマンションで、眺望についての説明義務違反による契約解除が認められた事例である。新聞でも報道された(「青田売りマンション説明義務「実物見たのと同程度に」」朝日新聞2000年10月30日)。原告は京都でマンション(京都市中京区、七階建て)を購入した大学教員である。

原告は1994年10月にモデルルームを訪れ、マンションからの眺望に惹かれ、六階部分の一室(3LDK、約64平米)を契約した。価格は4560万円で、手付金460万円を支払った。

配布されたパンフレットには「二条城の見える住戸が六戸ある」と記載されており、当該居室はそれに含まれていた。また、原告は「隣に五階建ての建物があるが、六階の居室を購入すれば、視界を遮るものはなく二条城を見ることができるか」と確認していた。これに対し、販売担当者は「窓から二条城が見える」と回答した。

しかし、完成後の95年7月に開かれた内覧会で、窓の正面に、隣接する五階建てビルの冷却塔(クーリングタワー)があるため、二条城はほとんど見えず、騒音も大きいことに気付いた。その日のうちに契約解除を求めたが、不動産会社側は契約違反を主張し、手付金の返還を拒否した。

原告は二条城への眺望を得られるものとして契約したのだから、契約の目的が達せられないとして、契約違反に基づく売買契約の解除、それに伴う手付金の返還並びに、損害賠償を求めて京都地裁に提訴した。一審判決は眺望に関する説明の不正確さを認定したが、原告の請求は棄却した。原告はこれを不服として控訴した。

高裁判決(大阪高判平成11年9月17日判例タイムズ1051号286頁、判例タイムズ1068号96頁、井関正裕裁判長)は、完成前のマンションの売買においては「購入希望者は現物を見ることができないから、売主はその実物を見聞できたのと同程度にまで説明する義務がある」と説明義務の判断基準を示した。売主の説明がその後に完成したマンションの状況と一致せず、その条件であるならば買主は契約を締結しなかったと認められる場合には「買い主は売買契約を解除することができる」とする。

眺望権に対する主張についても、「マンションの売買において、眺望は重視される要素。契約においては目的の物が主観的な好みや必要に応じているかどうかは極めて重要」と認めた。売主には「窓等からの視界を遮るものがあるか、ないかについて調査、確認して正確な情報を提供する義務があった」とした。そして説明義務違反として、手付金等の変換及び精神的苦痛に対する慰謝料30万円の支払を命じた。被告は最高裁に上告受理申立てをしたが、却下された(2000年9月26日)。これにより原告勝訴が確定した。

住友不動産事件

分譲マンション(札幌市中央区南1東3)の高層階物件を購入した住民ら三人が、同じ会社の別のマンションで眺望権が侵害されたとし、住友不動産と住友不動産販売に計約2000万円の損害賠償を求めた事案である。原告は「新マンションの建築の情報を知らずに購入した。被告側は計画を隠していた」「購入したマンションを建築・分譲した業者が、眺望を侵害する別のマンションを建てたのは信義に反する」と主張した。

札幌地裁は住友不動産に計225万円の賠償を命じた(平成12年3月31日判決、川口泰司裁判官)。「新マンション建築により視界の一部がさえぎられた。高層階の購入動機は眺望に重きを置いている」「住友不動産は建築した者として、眺望を害しないよう配慮する義務がある。眺望権が損なわれたとする原告の怒りも容易に想像できる」と指摘する。

住民らは住友不動産販売からセールスポイントとして「眺望の良さ」を強調され、15階建てマンションの13、14階の物件を2001年11月までに購入契約を締結した。販売時には「ベランダから花火が見える」とも説明された。原告の一人、斉藤正也氏は、当初、四階を申し込んだが、営業担当者から「眺望がすばらしい」と勧誘され、435万円高い13階の部屋を購入した(「眺望PRしておいて…南側にマンション建設 住友不動産に賠償命令」読売新聞2004年4月1日)。入居当初、景色を遮るものはなく、山並みも見渡せた。

しかし、一年半後にはその眺望は一変した。2002年6月頃、住友不動産と住友不動産販売はマンションの約57メートル南に15階建てマンションを分譲販売する計画を表明し、2003年12月に完成した(「225万円の賠償命じる/眺望権の侵害認める」北海道日刊スポーツ2004年3月31日、「札幌のマンション、眺望権で賠償命令」日本経済新聞夕刊2004年3月31日)。

原告らは反対の会を作り、住友不動産に対して計画の変更などを申し入れたが全く受け入れられなかった。新マンション建築で、居間からの視界中に新マンションが入るようになってしまった。原告の一人、斉藤氏は「見晴らし良いということで入居したのに、同じ会社がそれを否定した。絶対許せない」と語る。

判決について、斉藤氏は「主張が認められた点は評価したいが、金額には不満が残る。被告は住民に対し、謝罪すべきだ」と語る(「眺望遮るマンション 「信義違反」と賠償命令」朝日新聞2004年4月1日)。原告代理人の高橋智弁護士は「マンションを買うときは現物が無く販売業者の信用があるから大金で予約する。企業のあり方が問われた」と語る(「眺望で売ったのに眺望破壊」しんぶん赤旗2004年4月1日)。

説明義務違反(Word) 2 3 4 5

シックハウスでマンション売買契約解除

購入したマンションがシックハウスになっているため居住できないとして、購入者の夫婦が販売会社のベル・アンド・ウイング(東京都港区)を相手取り、購入代金など計約5631万円の支払いを求めた訴訟の判決が東京地裁(杉浦正樹裁判官)であった(2005年12月5日)。

裁判所は、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドの濃度が竣工直後に厚生労働省の指針値を相当超えていた可能性があるとして、販売会社に購入代金など約4791万円の返還を命じた。原告側代理人の米川長平弁護士は、シックハウスを理由としてマンションの売買契約解除を認めた判決は初めてと話す(「シックハウスでマンション売買契約解除の初判決」建設総合サイトKEN-Platz 2005年12月8日)。

夫婦は2002年7月27日、東京都台東区の新築マンションを4350万円で購入する売買契約を、販売会社と結んだ。夫婦は2003年5月29日に引き渡しを受け、7月15日に家具を搬入した。、しかし頭痛などがして住むことができなかった。妻には目がちかちかするなどの症状が出て、シックハウス症候群と診断された。

夫婦の依頼で台東保健所が7月25日、簡易測定器を使って室内空気環境を測定した。その結果、玄関側洋室でホルムアルデヒドの濃度が0.43ppmになるなど、厚労省指針値の0.08ppm(=100μg/m3)を超えていた。夫婦は8月22日に建物を空室にして、同月26日付で契約解除の意思表示を販売会社に通告した。

マンション販売時の新聞折り込みチラシとパンフレットには、「ホルムアルデヒドの放散量が少ない建材を使っている」と記載されていた(武本光政「<シックハウス>マンションの売買代金返還命令 東京地裁」毎日新聞2005年12月5日)。夫婦はこのチラシなどを検討の上、マンションを購入した。夫婦は、実際の建物ではホルムアルデヒドが放散しておりシックハウス対策が不十分と主張。健康を害し、居住に適さないから瑕疵があると訴えた。

判決は「引き渡し時に、シックハウスの原因となるホルムアルデヒド濃度が厚生省(当時)指針値を相当程度超える水準にあった」と認定した(「シックハウスで賠償命令 契約解除認め4800万円」共同通信2005年12月5日)。「ホルムアルデヒド(シックハウスの原因物質)の濃度が、国の指針値を相当程度超えていたと見られ、建物の品質に欠陥がある」(「シックハウスで住めず、売り主に4700万賠償命令」読売新聞2005年12月5日)。

売り主の瑕疵担保責任に基づき、購入費用4350万円のほか、キッチンなどの追加費用約176万円、諸費用約73万円、ローン諸費用約92万円、支払い済みの管理費と修繕積立金約16万円、移転費用約8万円、ローン利息約74万円を含め、計約4791万円の損害賠償を認めた。

買主

消費者が他人任せにせず、不動産についてよく調査し、悪徳不動産業者の物件を避けることは非常に重要なことである。東急リバブル不買運動も情報発信をすることで、微力ながら啓発に努めている。しかし東急リバブルや東急不動産の実例を出すまでもなく、悪徳不動産業者は存在し、騙される消費者も少なくないのが現実である。一般消費者は不動産業者や仲介業者の優劣を判断する力や知識を、残念ながらそれほど持ってはいない。 「消費者が調べるべき」はトラブル時において悪徳不動産業者が好んで使用する台詞であるが、現実に騙された被害者を救済する上では有害無益である。病気を予防することは非常に重要であるが、病人に対して予防策を説いても苦しめるだけである。

重要事項説明の説明事項の内容についての義務や、遺漏に対する責任があるのは説明する売主側にのみ発生し、買主側には発生しない。悪徳不動産業者は自己の責任を棚に上げて「買主がもっと調査すればよかった」「買主の過失である」と主張する。しかし、それはポイントがずれる。仲介業者が知っていた情報を説明しなかったことが問題であり、買主による調査の有無は無関係である。買主が調査していようといまいと業者には説明する義務がある。

物件を買う側としては知っていることは教えるべきと考えるものである。不利益事実を告げずに勧誘すれば、消費者が錯誤・誤信に陥るのは当然の成り行きである。悪い情報を知っていたにもかかわらず、あえて説明しなかったならば買主は余程お目出度い人でなければ「騙された」と感じ、怒るだろう。しかも仲介業者は誰でもなれるものではなく、行政から免許を交付された企業のみが行える。消費者は業者の免許に信頼して取引しており、信頼を裏切る背信的な行為が非難されるのは当然である。

告知説明義務違反で契約が解除されることはないと高をくくる悪徳不動産業者や、業者の不誠実さを棚に上げ、調査しなかった消費者が悪いと的外れの非難をするお抱え評論家がいる限り、いつまでたっても消費者は泣きを見ることになり、安心して不動産を購入することはできない。そもそも素人である消費者が売主の事情や物件を隅々まで調査して契約できるなら、仲介業者に手数料を払う必要はない。悪徳不動産業者は都合が悪くなると「消費者の自己責任」を強調するが、全て消費者の自己責任ならば不動産業者は不要である。

実際問題、家屋の購入に際しての個人買い主の情報収集は、住環境の中でも公共施設やショッピングセンター等の地理的要因の調査に留まるのが通常で、相隣関係にまで踏み込んだ調査は行いづらく時間もない。現地を数回見に行った程度では分からない、住んでみないと実感できないことが多い。

近所の人に「近所に問題のある人いますか?」と聞いて回る訳にもいかない。売主に「そんな人いません」と言われたらそれ以上調べるのも気が引ける。逆にプライバシーの侵害で訴えられるかもしれない。従って買主が調べなかったことは非難に値しない。

「事業者が、専門家として当然調査すべきことをしなかったために大切な情報を知らず、消費者に説明しなかったために消費者が誤認して契約を締結した場合には、売買契約に関する債務不履行がある、という民法上の責任を追及することは可能と考えられます」(村千鶴子、Q&Aケースでわかる市民のための消費者契約法、中央経済社、2001年、103頁)。

重要事項説明の悪用

重要事項説明は消費者保護を目的とし、売買契約の締結前に説明と書面の交付を義務づけたものである。しかし残念なことに、法律の趣旨が業界の隅々まで浸透しているとはいえない。悪徳不動産業者は法の規制を形骸化させ、買主を保護するのではなく、問題物件を売りつけた自社の責任を回避するために悪用されている。詐欺行為が発覚した場合の逃げ道、業者の保身のための方便としか考えていない。

消費者としては重要事項説明書の内容をしっかりと理解しておくことが期待されている。しかし実際は本契約の場ではじめて出されるケースが多く、その場で理解して同意することが要求される。しかし、一般に重要事項説明は内容に誤りがないとしても、素人の消費者に理解できるように記述されていない。一般消費者にとっては普段接することのない難解な説明書を読むのに精一杯で、どこが重要なのか分からないことが多い。初めての契約の場で細かいことまで神経が回らない。緊張や興奮で見落とすことも少なくない。

東急不動産や東急リバブルでなくても悪徳不動産業者は、そこにつけ込み、悪質な販売手法を行っている。即ち「契約当日に、丸つけて、読み上げて、有無を言わせずハンコ押させて、ハイおしまい」で済ましてしまう。ヤバイことや問題になることは重要事項説明書の備考欄などに小さく書き、契約当日まで一切情報を出さない。消費者にとって大切な内容ほど小さい字で書き、難解な表現を用いる。

契約の場では早口で簡単に読み上げ、後で問題となったら「ちゃんと説明しましたよ」と言い逃れの材料にする。重要事項説明書という書面が残っているため、消費者の勝訴は非常に困難である。「確信犯的なケースだと、差し出す前にぎっちり色々なことを説明して、買主を疲弊させてから説明に入る業者もいます」(三住友郎、家の価値を半減させるコワーい土地の話、宝島社、2004年、24頁)。実質的には脱法行為である。

詐欺罪

嘘をついて不動産を売ってはならないのみならず、不利なことを知っていた場合はその事実を隠してもいけない。どちらも買主にとっては詐欺である。詐欺は積極的に事実と異なることは信じ込ませる場合だけでなく、何も言わないことにより当該事実が存在しないと誤信させる不作為の場合にも成立する。

知っていたのに告げなかったということは故意である。過失ではなく悪質な詐欺行為だから、どのような弁解も謝罪も通らない。知らないでしてしまった間違いには寛容であるべきとの考えはもっともであるが、知っていて犯した罪は重い。

「詐欺罪のごとく他人の財産権の侵害を本質とする犯罪が処罰されるのは、単に被害者の財産権の保護にあるのではなく、かかる違法な手段による行為は社会の秩序を乱す危険があるからである」(最高裁判決S25.7.4)

「商品の効能などにつき、真実に反する誇大な事実を告知して相手を誤信させ、金員の交付を受けたときは、たとえ価格相当の商品を提供したとしても、真実を告知したならば相手方は金員を交付しなかったであろうような場合には、詐欺罪が成立する」(最高裁判決S35.9.28)


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