東京都における産業保健活動の活性化について(縮小版)
東京都医師会産業保健委員会答申(委員長.保坂洋一)
平成10年10月

はじめに
 日本医師会では、平成2年4月より認定産業医制度を実施し、社会
 の要請に応えうる産業医の養成と産業医活動の推進を図ってきた。
 平成9年9月現在、日本医師会認定産業医の数は全国で30,599名と
 なり、平成10年10月には更に相当数の認定産業医の増加が予想され
 これにより、質の高い産業医活動が各地で展開されることになる。

まとめ
 1. 健康相談窓口の開設

   実際に相談に来るに至らない例が多く見られた。対象者が
      もしかして窓口は基準監督署傘下の活動ではないかと警戒
   する傾向が大きいと見られる。
 2. コーディネーターの活動
      良いコーディネーターに恵まれるとセンターへの求心力が
      呼び起こされ、その結果、窓口相談、個別訪問活動の申込数
      が増加する例が証明されている。
 3. 産業医について
      労働者の健康管理を行うに必要な医学知識について、労働省
      令で定める要件を備えた医師でなければならない。
 4. 今後にかける労働省の姿勢
   I 地域産業保健センター[拡充センター]
    (1) 相談窓口の開設
 
     1) 夜間及び休日の健康相談窓口の開設
             原則は各々開催を週1回とするが、調整は出来る。
     2) メンタルヘルス相談窓口の開設 月2回を原則。
    (2) 個別訪問産業保健指導 月9回が原則。
    (3) コーディネーターの活動日数
       活動日数が6日増加することになるが、別途人員配置
             を考えてもよい。
    (4) 地域産業保健問題協議会の設置
   II 地域センター事業の活性化
    (1) 産業保健情報の提供
     1) 医師の名簿作成
     2) 労働衛生機関等及び労働衛生コンサルタントの名簿
     3) 事業報告

  むすび
 労働者の生涯の大部分を占める就労生活のために、企業における
労働・衛生健康管理体制を整備するよう地域産業保健センターと産業
保健推進センター及び管轄内医師会は連絡を密にして協力支援する
ことまた今後ますますかかりつけ医である産業医が情熱と行動力を
もって地域センターのもとで産業保健活動を活発に展開することを
望むものである。
 末尾にあたり、本調査にご協力頂いた地区医師会並びに地域セン
ターの各位に心より感謝を申し上げる。

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地域産保センター実態調査

東京
センター(仮称) 登録事業所数 事業所問合せ 窓口へ問合せ 設立年月 コーディネーター 登録勧誘法
A 64 2〜3 0 平成7年7月 4,5,7 a,b,c,d,e,f,g
B 49 10 26 平成8年7月 5 b,d,f,g
C 40 10 4 平成6年7月 8 a,d,e,f
D 40 0 0 平成5年4月 1 d,e,g
E 23 2 2 平成8年10月 8 h
F 23 0 0 平成9年6月 4,7 d,e,g
G 19 12 1 平成8年9月 1 a,b,d,f,g,h
H 18 18 6 平成9年8月 1 a,b,c,d,e,f,g
I 18 5 0 平成8年7月 6 a,b
J 15 2 0 平成9年7月 4 a,b,h
K 14 0 0 平成9年7月 3 a,g
L 10 60 8 平成9年6月 1 b,e
M 10 5 0 平成8年10月 2,6.7 a,e,f
N 9 12 0 平成9年5月 1 a,d,h
O 4 10 1 平成9年4月 8 d
P 0 5 3 平成8年8月 1 a,b,f
Q 0 0 0 平成9年7月 2 a,b,e,g
R - 6 2 平成9年6月 1 a,d,f

[コーディネーター(前職/現職)]

1.医師会事務長2.労働省・基準監督署OB3.産業保健担当理事
4.労働衛生コンサルタント5.センター運営委員会委員
6.地方自治体職員7.認定産業医(医師会員)8.その他
[登録勧誘法]
a.監督署から紹介b.企業団体、ロータリー・ライオンズクラブ、事業所
へ広報c.医師会の健康教育・相談の場でd.監督署や基準協会の
各種説明会でe.事業所訪問f.相談窓口にてg.医師会員からの紹介
h.その他