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1999年最後の月だというのに、このままでは1回も記載なしになってしまう。
あまりに情けないから、少し古い話題もはいるが1回分作ろう。
この2,3ヶ月に読んだ中でよかった本、面白かった本。
西垣通『こころの情報学』、ちくま新書。
まさにぼくがここしばらく求めていた、素晴らしい本。
ミンスキーも清水博もちゃんと参考文献に出てくる(この両方が出てくるのは実はそんなにない)。人工知能も動物も視野に入れつつ、ヒトの心に迫る。

佐々木正人『知性はどこに生まれるか』、講談社現代新書。
上の本で知った。非常に面白い。話題はミミズ、サンゴ、階段の足跡、植物の運動などなど。そこから、自分が、 脳の行っていることについていかに先入観だらけであったかがわかる。

千住博、宮島達男『疑問符としての芸術』、美術年鑑社。
ほとんど抱腹絶倒物の、でも立派な美学の議論。
いたるところ感心したが、個人的には、宮島氏が長谷川等伯の「松林図」に言及している部分で心拍が高まった。
なにせ、かつてわがサイトでも等伯、宮島を並べて論じようとしたわけだから。
http://www.oocities.org/tor_nog/tohaku-miyajima.htm
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野口悠紀雄『超旅行法』を読んで、また道楽が増えてしまいそう。
ヴァーチャル・ツア。地図と写真が材料。漫然と見て楽しむのではなく、頭の中にきっちり街を組み立てようというもの。写真を見たら、街の中のどの地点で、どちらを向いているか分かるまで。ジグソー・パズル的面白さがありそう。
材料が豊富に得られて、かつ街がコンパクトなヴェネツィアから始めるか。(教授は行ったことのない街を奨めているが)。本を読んでいて、ああこれはこの通りだな、なんて分かったら面白いだろう。
次に行けるのはだいぶ先のことだろうから、当分これで楽しむか。
zz