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Marvin Minskyの講演を聞いた。(991117)
"Science Frontier Tsukuba 999"という国際会議のオープニング・プレナリーの一部。

同時通訳装置は使わなかったのだが、「心の社会」を読んでいてある程度概念はつかんでいたから、7、8割は理解できたような気がする。

学問的な部分では、「自我」についての言及が重要だと思った。
一つの自我があるというのは間違いで、数多くの機能をコントロールしているマネージャーは10くらいある、と言っていたように聞こえた。
今度出した本に書いたということだから、読まなきゃ。

内容も面白かったが、ミンスキーという人そのものが、実に傑作。
こことあそこの空間の把握の話をしながら、数m離れたところにあった他人の(たぶん)ミネラルウォーターを持ってきて飲んじゃったと思ったら、その水をOHPシートの上こぼしちゃう。そのシートをズボンで拭いたりしながら、「ヒューレットパッカードとエプソンのインクのどちらの防水性が高かったか、明日教えましょう」なんて言ってる。ユーモアの塊。
学者中心の集まりとはいえ聴衆は雑多な集団で(ぼくなんかが紛れこめるくらいだ)、最高レベルのAIの学会をやってるわけじゃないから、余裕なのかもしれない。
 

もう一つ、若い学者がneuro networkのような流行りの分野にばかり行きたがり、semantic networkのような重要な分野にはいってこない、ということを何度も繰り返したのが、印象に残った。

zz