981126_1
先日、行きつけのジャズバーで、久しぶりにサラ・ヴォーンを聞いた。

1954年のwithクリフォード・ブラウン。名高い名盤。
サラに欠点があるとしたらうますぎることぐらいだろう。特に円熟期になるとあまりの自信、迫力に圧倒されて、ぼくなどはしばらく聞く気がなくなってしまうほどだ。

でも、この盤で歌う30歳のサラは、まだ初々しさが残っていると言ってもいい。
丁寧に、一つ一つの言葉、音を確かめながら、歌っていく。リラックスしているが、全身の神経は張り詰めている。鼓動が聞こえるようだ。
April in Parisなどは、この曲の最高の歌唱だろう。

そして、ブラウンの、サラの歌をそっと包むようなソロ。さりげないが、これ以上のものは考えられない完成度だ。
ビリー・ホリデイとレスター・ヤングの場合は、歌手と奏者の間隔がほとんど0のような寄り添い方でたまらないが、サラとブラウンはぴったり10cmのままという感じ。この距離感もぞくぞくする。
バックのサポートも、出過ぎず、控え過ぎず、申し分ない。

*非常に充実したサラ関連サイトを見つけた。
http://members.xoom.com/sarahvaughan/