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現在の日本の音楽状況について、長谷川きよし氏の言葉。("SIGNATURE"1998.4)
実に見事なので、そのまま引用。

「作り手の側も、それを売っていくレコード会社の人たちもすべてにわたって『商売』ですね。大衆音楽だから流行があるわけで、それを基本的には否定したくないけれど、かなりひどいところまできてると思います。数量であったり、効率であったりという経済最優先できた日本社会全体の流れによるものです。CDをつくるのに若い人に向けてつくらねば利益につながらないところもあって、作り手側もそういう風潮に流されている。受け手側の年齢層も、メディアから流れてきたもののなかから自分なりに選びとる力がもてないほど若くなった。今の実際の音楽づくりは、アーティストが世の中に送りだしていきたいもの、聴いてほしいものとすごくかけ離れているんですよね。だからほんとうに音楽が好きな人が食っていけない状況が起こるんだと思う。音楽に価値を持ち続ける人たちの聴くものがなくなっている現状なんです。無批判に情報を受け取って、とにかく他人と同じがいいという人があまりに多い。売れれば何でもいいというミュージシャンも問題ですけどね」

なお、長谷川氏自身は、一度は音楽を離れ函館でマッサージ師をしたこともあるとのこと。
今の仕事は、アマチュアの人が開くコンサートでの演奏がほとんどらしい。