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トレーニングシステムのマネジメント

チームにおけるトレーニングシステムのマネジメント

 
ここでは,チームのマネージメントという観点から,
 
トレーニングシステムのマネジメントを考えていく.

 チームにおけるトレーニングシステムのマネジメントは,
 下記の
表にあるように大きく7つの活動に分けることができる.

 表. トレーニングシステムのマネジメント

  1. チーム戦略の策定

  2. コンディショニングシステムの構築
   →組織,施設空間,時間,経費,活動,サービス,環境要因の充実

  3. 対象プレーヤーの動機づけ
   →戦術的機能,競技レベル,年齢などによるグループ別動機づけ(内発的動機づけ)

  4. 基礎教育プログラム
   →コンディショニングやトレーニングに対する理論と手法の理解

  5. トレーニングの計画(PLAN)
   →トレーニングニーズの把握:現在のコンディションの把握,目標とするコンディションの設定,
    トレーニングニーズの明確化
   →トレーニング戦略の決定:トレーニング戦略の明確化(何を),達成目標(値)の設定(どこまで),
    トレーニング期間の設定(どの間に),トレーニング方法の選定(どのようにして)
   →トレーニング計画書の作成

  6. トレーニングの実施(DO)
   →トレーニング手段の実施,トレーニング実施記録表,コントロールテストの実施

  7. トレーニングの評価(CHECK)
   →トレーニングおよび発達過程の評価

  8. トレーニング計画の見直し(ACT)


チームビジョンの確立

 
トレーニングを行う前段階として,まず始めにチームのビジョン(方向性)を定める.
 チームビジョンの確立には,以下の4つのプロセスがある.

 1. チーム戦略の策定
 2. チームにおけるコンディショニングシステムの構築
 3. 対象となるプレーヤーの動機付け
 4. 基礎教育プログラム

1. チーム戦略の策定

 前年のチームの成果を分析をした上で,
 今年の年間を通じてのチーム共通の目標を掲げる.


2. コンディショニングシステムの構築

 
チームのコンディショニングに関わるシステム環境(Man-STAECS)
 「組織」,「施設空間」,「時 間」,「経費」,「活動」,「サービス」,「環境」
 の各要因をチーム戦略に基づいて準備することである.


3. 対象プレーヤーの動機づけ

 コンディショニングに対する動機づけを行う.
 そのためにコンディショニングの理論や方法論に関する基礎教育,
 メディカルチェックおよび体力・運動能力テストを行う.
 その結果,目標とする競技パフォーマンスを
 達成することについての動機(モチベーション)を高める.
 合わせて,目標とする体力・運動能力の水準を達成すること,
 およびそのための継続したトレーニング
 に集中することのトレーニング意欲を確認する.
 この場合の動機づけは,コーチ・トレーナーが
 プレーヤーに対して行うだけでなく,プレーヤー自らが行う(
内発的動機づけ
 ことも重要である.


4. 基礎教育プログラム

 オフシーズンの最初の「
立ち上げ期」に行うのが効果的である.
 これは新入生(フレッシュマン)に対して特に重要である.
 基礎教育プログラムによって,プレーヤーはコーチ・トレーナーから得られる
 知識に専門家によるスポーツ医・科学の知識を付け加えて,
 コンディショニング全般を理解することを目的とする.
 このようにコンディショニングの知識・情報のシェアすることによって,
 コーチ・トレーナーとプレーヤーとの間のコミュニケーションがより円滑になる.



トレーニングシステム

 トレーニングシステムの中心的な活動は,トレーニングの
 
5. 計画(PLAN),6. 実施(DO),7. 評価(CHECK) ,8. 見直し(ACT)である(PDCAサイクル).


 計画的なコンディショニングを行うために最も重要な活動は,
 
トレーニングの計画(PLAN)である.

 まず,チームの
現在の状態(競技パフォーマンスおよびコンディション)
 を把握する必要がある.

 そのために,競技パフォーマンス,体力・運動能力,
 ライフスタイルなどを多角的かつ総合的に分析する.

 続いて,チーム戦略に基づき,チームの
目標とする状態を設定する.

 次に「
トレーニング計画の見直し」から得た各プレーヤーからの
 トレーニングに対するニーズ(課題)に基づき,
 その最大公約数をそのチームのニーズとして「トレーニング計画書」を作成する.

 さらに,個別のトレーニング計画を立案する際は,
 現在のコンディションやこれまでのコンディショニングプロセスなどに基づき,
 コーチ・トレーナーがそのプレーヤーとよく相談して
 目標とするコンディションを設定することが大切である.

 目標とする状態と現在の状態との間に存在するギャップの程度や
 トレーニングによる目標達成の可能性などから判断してトレーニング戦略を明確にする.
 さらに,技術・戦術,体力・運動能力,精神力のいずれの領域における
 トレーニング課題であるかを明確にする.

 トレーニング戦略における
目標の設定方法は2つに分けられる.
 1. チームの基準を達成目標とする方法
(fitness for standard)
  →チームにおける標準以下レベルの選手
 2. より高いレベルで個別的なデザインを達成目標とする方法 (fitness for design)

  →チームにおけるトップグループの選手

 トレーニングの目標や方向性が定まれば,具体的な目標値(データ)を設定する.

 最終的には,目標達成可能性を予測して,トレーニング期間を設定する.
 「何月何日の試合までに目標達成する」こと,すなわち
ピーキング時点を決定する.
 これらの内容をまとめて「トレーニング計画書」とする.


 
トレーニングの実施(DO)は,数週間から数ヶ月にわたるものである.


 
トレーニングの評価(CHECK)には,
 実施したトレーニングを記録すること,
 定期的なコントロールテストを実施することが重要である.
 「トレーニング実施記録表」を用いることにより,
 トレーニングの内容やトレーニング強度・量を評価することができる.
 トレーニング強度の評価は,心拍数や疲労度(例;顔色)などを記録で可能となる.
 また,定期的なコントロールテストの記録は,貴重な発達データとなる.

 最後に,トレーニングと発達に関するデータ,目標達成度などを多角的に分析し,
 
トレーニング計画の見直し(ACT)を行う


<参考文献>

リコンディショニングシステムのマネジメント

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