「しのぶちゃん2号」

それは当時所属していた部を騒がせた試作機の名前

これはそれの製品版 MBT-9010A
[たぶん韓国SBS仕様]

中波(520KHz〜1620KHz)で出力10KW(当然無変調時)

なんというか,電力変調部がない振幅変調(ここまでなら問題ないと思う)
詳細は 日本国特許第2576687号参照

S/Nは最高75dBぐらい有ったはず.
これがなかなか安定せずに時間外手当を増やしたものだ.
AF周波数特性は最後の方で「こつ」がわかり,いい物になった.
おかげでAMステレオに対してはいい対応ができた.
電力効率.これも「おまじない」が有って80%の大台を越えることができた.

釧路高専時代から「自分の作るマシンには名前を付ける」
という理念(と言うほどの物でもない)のもと
卒業研究で作ったマシンには「しのぶちゃん」と命名していた.
「しのぶちゃん」というのは「うる星やつら」の三宅しのぶである.

試作機なので当然試行錯誤があり,設計者なので愛着がわいてきた.
そこで名付けたのが「しのぶちゃん2号」
当時の松浦主任や佐藤主任に笑われ
東海林さんからは「佐川君のしのぶちゃんは動いてるの?」と,いわれる有様.
たまに「ぱちっ」とかいって止まってしまうことも.

お忍びで某大阪の放送局の緊急用送信機として送信したこともあった(もう時効でしょう).
NHK技研の職員も見に来たなー.肝心なところはラベルを貼って隠したけど.
そー簡単に終段のFETを明かしてたまるか.こっちは苦労したんだ.

いま,しのぶちゃん2号」は22工場(今は号館)から移動してしまったらしい.
試作機だからいつ解体されるかわからない.もう解体されているかも...
なんせ,今話題の府中事業場だから(関係ないか).

いやー,いい時代だった.