環境勘定用語集

 

last updated on 11 Nov 2007

シンポ情報
07/12/17「これからの山国・日本をどうするか」@東大弥生講堂
くわしくはこちらへどうぞ

 環境勘定、環境資源勘定、自然資源勘定、環境サテライト勘定、自然遺産勘定、環境会計、生態会計、などなど、英語圏・仏語圏等での用語の多様さに応じて訳語もいろいろあるこの世界ですが、この分野に関するさまざまな用語を、なるべく詳細に解説しようというページです。並行して作成しているリンク集(英文のみ)と深く関連しています。
 本ページでとりあげる環境資源勘定という研究分野は、国際的にはもちろんのこと、日本でも、環境経済・政策学会(ホームページはこちら)において「環境評価と環境資源勘定」というセッションが学会創設以来毎回もたれているなど、近年注目されている分野です。
 本ページで主として扱うのは、マクロレベルまたはメソレベルで作成される環境勘定・自然資源勘定等です。1960年代末からノルウェーで取り組みの始められた物量単位の自然資源勘定、国連統計局(現・国連統計部)での環境統計・環境指標に関する地道な研究蓄積、自然資源に対する経済社会の働きかけに着目した環境保護支出勘定(貨幣単位)、これらのアプローチの統合を目指した自然遺産勘定(フランス)、NAMEA(オランダ)、SEEA(国連)、GAMEE(有吉)などがその例として挙げられ、これらを仮に総称して環境[資源]勘定と呼ぶのが通例化しています(これらの関係・異同を的確に整理したものに、環境勘定検討会報告書(環境庁−富士総研)(1998年)があります)。
 環境資源勘定に期待されている役割としては、1)会計の形式を借りて統計の整合性を常に確認しながらデータを蓄積していく枠組みの提供、2)政策形成のための情報ベースを提供するための集計的指数の構築、の2つが挙げられると思います。

 ミクロ(企業)レベルの環境会計についてはあまり触れていません。企業の環境報告や環境会計については、こちらのvan der Molen氏のサイトをご参照ください。99年に入って環境庁から、「環境保全コストの把握及び公表に関するガイドライン〜環境会計の確立に向けて(中間とりまとめ)」(99/3/25)、2000年に入って「環境会計システムの確立に向けて(2000年報告)」についてが、それぞれ公表されています。環境庁のガイドラインの要約を含む環境会計のコンパクトな解説ページもマネジメントISO関連企業によって作られています。家計の内部環境報告ともいうべき環境家計簿については、やはり環境庁による解説ページがあります。環境資源勘定と意思決定の仲立ちをする有力な分析ツールであるLCA(Life Cycle Assessment/Analysis)については、T.Gloria氏のこちらのサイトが包括的かと思います。環境報告・環境会計・LCA等をまとめて「環境コミュニケーション」の問題として解説している green web という大変便利な日本語サイトもあります。
 ミクロ経済学的手法による環境評価(CVMなど)については、こちらの栗山浩一氏のサイト吉田謙太郎氏のサイトが詳細かつ便利です。持続的発展の問題に幅広くご関心をおもちの方は、ブリュッセル自由大学の環境社会経済センターをぜひご覧下さい。いずれも、周辺分野の代表的サイトとしてここに特記するものです。
 署名のない項目は、ページ作成者・古井戸の個人的見解が書かれています。

 

↓こちらが用語集詳細版本文です

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(*印は最近更新した項目を含む)

 
 


 
ミニ・リンク(関連の深い日本語ページ:これ以外は英文のリンク集参照

国民経済計算研究会(専修大学)
有吉 範敏先生(長崎大学)Cool !
平成6年度環境庁地球環境研究総合推進費成果集(1995年):総括/森林資源勘定/農業/環境経済統合勘定
環境勘定検討会報告書(環境庁−富士総研)(1998年)
日本版SEEA(経済企画庁−日本総研)
環境保護支出勘定の第二次試算及び廃棄物勘定の試算について(経済企画庁経済研究所,2000年6月)


 

98/2/22 初版作成

99/4/20 用語集本文を切り離し、別ページとしました。

99/5/12 用語集<簡略版>を作成しました。

 本ホームページは、東京大学大学院農学生命科学研究科に勤務する古井戸 宏通が、多方面の専門家の方々のご協力を得ながら、ボランタリーに作成しているものです。この分野に関する古井戸の研究については、農林水産省(林野庁)・環境庁・アジア経済研究所・諸研究会や学会による助成・協力・交流によるところが大です。とはいえ、本ページの内容は、あくまで古井戸個人の見解であり、いかなる意味においても、所属研究機関・研究助成者・ないしは研究協力者の見解を代表するものではありません。
 営利目的のために作成・登録されているものではなく、広範な方々のご利用を歓迎します。本ページへのリンクは自由です。リンクを貼ってくださった場合、作者までご一報いただければ幸いです。

 お気づきの点、ご投稿などを、古井戸 宏通 furu@fr.a.u-tokyo.ac.jpまでお寄せいただけると幸いです。


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