「 歌うオードリー。」おすすめ度
★★★★☆ オードリー自身が歌う「How long has this been going on?」。彼女の発音の独特さと声の特徴によくマッチしていたように思う。「Bonjour,paris!」では、高音部が出ないのか、かすかに声が聞こえていたにとどまったが、「ティファニーで朝食を」や「マイ・デア・レディ」よりも彼女の歌声はたっぷり聞くことができる。おしゃれなのは、テーブルクロスを腰に巻きつけて歌うところ。K.トンプスンと輪唱するのだけれど、オードリーだからこんな格好もさまになるというものだ。
アステアのダンスも相変わらず華麗で、「Clap your hands」でみせる変装はちょっと意外でこれもまた楽しい。
「ヘップバーンが自分で歌ってます!」おすすめ度
★★★☆☆「マイフェアレディ」はヘップバーンの代表的なミュージカルだけど、歌が吹き替えなのは有名な話。彼女の声はわずかにハスキーで低音なので、ソプラノのイライザの歌は無理だったようです。でもこの「パリの恋人」では、しっかり歌ってます。少し鼻にかかったような歌声は、すごく上手とは言えないけど、とってもキュート。この映画でとても好きな場面は、フレッド・アステアがヘップバーンをモデルにしてパリを舞台にプロモーション写真を撮るところです。撮影中のちょっとしたハプニングが偶然して傑作写真がどんどん生まれるこのシーンは非常にテンポがいい。この映画の写真はファッションカメラマンのリチャード・アヴェドンによるもの。昔TVで「ソウルトレイン」を放映してた時の提供がJUN&ROPEと言うアパレルブランドで、そのCMがアヴェドンの出てくるCMでめちゃくちゃカッコ良かったのを覚えています。スタンリー・ドーネン監督は50年代のミュージカル映画のベテランで、サスペンスやラブストーリーなど普通の劇映画を撮っても、アップテンポですごくスマートな演出をする人です。ドーネンは、その後「シャレード」や「いつも二人で」でも、オードリーをその年齢相応に上手に使いこなし、作品的にも成功しています。今から思うと、この邦題は安易なネーミングですね。今なら原題の「ファニー・フェイス」で公開されるでしょう。
「とにかくオシャレ」おすすめ度
★★★★☆NYグリニッチ・ヴィレッジの古本屋で働く文学少女が、たちまちパリのモデルになってしまうというシンデレラストーリー。ミュージカル仕立てになっていて、テンポよく進行してゆく。ヘップバーンのキュートな歌と踊りもみどころだが、なんと言ってもベテラン、フレッド・アステアのエレガントなダンスは必見。凱旋門、エッフェル塔、セーヌ河、ルーヴル美術館といったパリの名所、オードリーの衣装(ダウニールックから、ジバンシーのクチュールまで)、モダン・ジャズのエッセンスを取り入れた音楽(ジョージ&アイラ・ガーシュイン)、映像コンサルタントはリチャード・アベドンと、当時の映画としてはかなりオシャレで洗練された作りになっていると思います。
「オードリーとアステアの魅力溢れる映画です。」おすすめ度
★★★★★オードリーの映画で一番大好きな作品です。
お話は地味な本屋の店員が偶然に見出され、パリで美しいモデルへと変身する、ありきたりだけれど夢の様な展開。でもこの映画のもうひとつの魅力はオードリーやアステアの美しいミュージカルシーンにあります。小鳥の様に踊る細身のオードリー、確実にステップを踏む軽快なアステアのタップ。しかも歌声がステキ。アステアって歌もすごく上手なんんですよね。
何度観てもうっとりして、しかもまた観たいと思わせる映画のひとつです。
「人を幸せにするミュージカル映画」
おすすめ度 ★★★★★
話の筋は、なんの感動も有りません。凄いのはヘップバーン以下の往年の出演者の上手い芸、見ると幸せになるミュージカルです。久し振りに正統な芸を見たような気がする。ミュージカルは、おそらく今では見られないような感動的なものです。私はこの映画を見た時、ミュージカルの部分を三回、繰り返し見ました。あまりにも感動するからです。是非、人を幸せにするミューズカルを御覧下さい。
「美しすぎる映像に涙」
おすすめ度 ★★★★☆
大好きなオードリー作品の中でも一番ファッショナブルで一番美しいオードリーの顔が見れるのはこの作品ではないだろうか。ビデオではカスミがかってしまっていた教会の裏庭のシーンがDVDでは鮮明に映っていたので買ってよかったと思いました。ジバンシーの赤、白、青、黒のドレスが色鮮やかに映っています。オードリーのアップも超きれいです。
もちろんパリの観光地各所も約50年まえの映像とは思えない美しさ。
待った甲斐がありました。
概要
世界の流行をリードするファッション雑誌。その専属カメラマンのディックが、本屋の店員ジョーの「おかしな顔」に目をつけた。雑誌社は嫌がる彼女を説得、パリに乗り込んで撮影を開始するが…。 「ス・ワンダフル」などジョージ・ガーシュウィンの名曲の数々にのせて、「永遠の妖精」オードリー・ヘプバーンの魅力が炸裂する、とってもおしゃれなミュージカル。写真撮影と視覚コンサルタントを世界的な写真家リチャード・エイヴェドンが担当し、衣装をハリウッドを代表するイディス・ヘッドとパリのデザイナー、ジバンシーが共同制作した。監督は『シャレード』など、センスある映画つくりが光るスタンリー・ドーネン。フレッド・アステアの華麗なダンスも見ものである。(アルジオン北村)